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6月15日(土)の午後にお話を伺いました。聞き手は、いつもの様にルイダス
のみなさんです。
大澤:では、まずベルギー戦のことからお聞きします。
克己:ベルギー戦はねえ、ちょっと前半はタジタジだった。サッカーにならなかったね。
大澤:前半0−0でしたね。
克己:そうですね。見てると、DFラインから長いボールが多かったよね。今までの日本は、もっとつないで中盤に預けて展開してたけど、まあやっぱりああいう試合になったら、リスクを少なくする為に、ああいう長いボールを蹴ってるのかなと思ったけど。でも、相手のDFの裏へボールを出すのか、FWに当てるのか…。FWにくさびのいいボールが当たってないっていうのがあって、FWがしっかりキープ出来ない。そこでキッチリ収まってないから展開が全然生まれなかったよね。だから前半は、あんまりサッカーになってなかったなあって感じだね。ただ初戦ってこともあるし、負けたくないってことで、そういう事考えたらやっぱ中盤に預けてってそういうリスクのある事は、ちょっとみんな出来なかったのかなと思いますけどね。自分達のサッカーが出来てないって感じはしたよね。で、後半1点取られて…。鈴木の点は正直ラッキーだったと思います。相手のミスだよね。DFラインとキーパーとの。鈴木もよくあそこで入れたと思うし、あの1点で本当日本は生き返ったなあって感じがしましたね。
大澤:アップアップでしたものね、先に点取られた時は。
克己:うん。苦しいなこのままじゃと思ったけど、相手のミスと鈴木が良く詰めてたことでね。だからあの1点は大きかったと思いますよ。それからチームが変わったしね。「あっいけるな」って感じになってきたし、だからやっぱり試合って流れがあるから、昨日のロシア対ベルギーでも、前半ベルギーがガンガンいってたし、点取るチャンスもあって、後半はロシアが良くなって、ロシアもすごい点取るチャンスがあって。お互いチャンスが多くて、それをどう決めるかっていう勝負だったから。本当に紙一重のところで決まると思う。フランスにしてもアルゼンチンにしても優勝候補って言われてたチームが予選敗退したのも、ポストとかバーに当たったりちょっとしたところで入んなかったり、それで流れが変わって1チャンスでやられたり、そうことっていっぱいあるから、試合の流れっていうのは紙一重で、力の差はあっても、それが逆転しちゃうってこともあるんでね。こういうリーグ戦で3試合しかないし、その中で自分達の力を出すってのは本当に難しい事だなあって思います。
大澤:同点になったじゃないですか。「いける」と思いましたか?あの時。
克己:サッカーが良くなってたからいけるなあって感じはあったし、あそこで稲本がうまかったよね。
大澤:あれは完璧でした?
克己:相手をかわして…、ベルギーとかロシアもそうだけど、体がでかい選手って結構真ん中は遅かったり。
大澤:一発でもってったものね。
克己:1つのフェイントで抜いていっちゃったからね。だからロシアなんかもドリブルには弱いなって感じはあったんで。やっぱり高いボールとかは強いけども、細かいパスやドリブルには対応出来ないとこあるんでね。どうしても高い選手にはそういうとこあるし、だからあれはいいタイミングで抜け出してすばらしい点だったと思いますね。
大澤:追いつかれた時の失点は、DFのミスだったんですかね。
克己:うん。その前にもあったんだよね。ライン上げるんだけど、3枚は上げてても、その外が残っていたりして。だから、俺ヤバイなあ、揃ってないなあって思ってて、やっぱ案の定あそこでライン上げて…。あそこでライン上げるかどうかって問題は、チームがどういう風に考えているか俺にはわからないですけど。ラインを上げても、やっぱ裏への意識を持ってないと、上げっぱなしだとそこで終っちゃうけど、上げても蹴る時にはまたラインを揃えてって、その位でないと…。
大澤:なかなか改善されないんだよね。
克己:でもその後の試合からは、良かったと思いますよ。ラインを上げてもその後があったし、攻められてる時は無理して上げなかったしね。全体に低い位置、自分の陣地でやってたんでスペースがないし、キーパーとのね。だから、やたらに上げればいいっていうのでもないと思いますね。ただライン上げると全体に下がってきっちゃって、中盤にスペースが出来て、自由に廻されちゃうんでね。FWも下がって全体にコンパクトになって、距離がうまく保たれればまあいいんですけど、ラインを上げた場合、キーパーもただゴールに張り付いてればいいってものでもないし、リベロ的に前へ出て足でボールを扱っていかないといけないし。まあ、あの失点は相手の上手さもあるけど・・・。
大澤:稲本の(幻の)3点目は?絶対入ったと思ったんだけどな。
克己:う〜ん。ただ足の裏を見せてはいってましたけど。体を寄せて競いあう前に、足の裏を見せていったんで、そこをとったんでしょ。その時点で、笛ふいたんでしょ。
大澤:でもあれ位だったらねえ。
克己:まあそれはありますよ。でも勝てる試合を落としたって感じでしたね。
大澤:そうですね。
克己:引き分けで良かったって言い方もあるけど、勝てる試合を落としたって感じはあるよね。
大澤:あの時、克己さんはTVで?
克己:はい。家で見てました。
大澤:盛り上がって?
克己:いやそんな。俺が「ワー」ってそんな感じはないですよ。(笑い)
大澤:じゃあロシア戦にいきますか。次のロシア戦は1−0で勝ったんだよね。この試合の印象は?
克己:守備が良かったと思いますよ。徹底してたと思います。まあエスパルスとやった時は、ロシアも自由にやれたと思うけど(笑い)。あれ位、前からプレッシャーかけていたら自由に出来ないんだなって感じでしたね。試合の後、東京とかすごかったみたいですね。渋谷とか。俺の友達から電話かかって来て「すごいよ」って言ってて、日本コールで。「ニッポン、チャチャチャ」とかやってて、「ニッポン」とかいうとタクシーとか「プップップ」とかやっちゃって(笑い)本当に。
大澤:(笑い)あーすごいね。
克己:これ日本かなって思った位だって。逮捕者も出たみたいだね。で昨日は「警察ゴメンネ チャチャチャ」って(笑い)
一同:(笑い)
克己:「おい、静岡じゃ全然ないぞ、そんなの」って。
大澤:ないねえ。
克己:渋谷とかすごいって。国立とかから帰ってくる人が集まって、もうコールがすごいって。道頓堀もすごかったみたいね。
大澤:飛び込んだ。
克己:そう
大澤:出てる選手は幸せだよな。
克己:そうだね。俺なんかもいいなあと思うもんね。
大澤:あの宮本のフェイスガード付けるの、流行ってるみたいね。
克己:そういうもんですよ(笑い)宮本がああして頑張ってるとね。でも、ここまで盛り上げてくれて、日本を明るくしてくれたっていうかね。
大澤:TVず〜とだもんね。ワールドカップばっかり。
克己:みんな俺に「おめでとう おめでとう」って言うんだよね。俺、何もしてないのに(笑い)でも、一応「ありがとうございます」って言って。
澤口:私も言われますよ、みんなに。
克己:(笑い)サッカーファンの人には、みんなおめでとうってね。今、会社じゃみんなTV見ましょうってなるみたいじゃない。その時間は見て下さいとか。
大澤:そうだよね。これはいいと思いますよね。
克己:こういう経験ってないから、子供達にも、みんなで見て応援しようとかね。そういうのも、あっていいかなって。
大澤:いいでしょ。いいでしょ。克己さん、もう最後のチュニジア戦は、勝てると思ってました?
克己:いやもう(決勝トーナメントには)行くとは思ってましたね。というか、俺はもう最初から予選は通過すると思ってたから。だから、聞かれたら「予選は突破すると思いますよ」って言ってましたから。こんなにはいいと思ってなかったけど。
大澤:1位通過だもんね。
克己:俺は1勝2分か、1勝1敗1分だと思ってたから、1位とは思わなかったけどね (笑い)
澤口:予想以上に、強かったってことですか?
克己:選手ももちろん頑張ってるんだけど、やっぱりホームていうのもあるよね。
大澤:応援だよ。あの雰囲気の中で…
克己:俺も日本戦見てないから何とも言えないんだけど、すごいみたいだから(笑い)
大澤:あのピッチに立った選手は、奮い立つんじゃないですか。
克己:うん。応援してる人も奮い立つって言ってたもの。
大澤:うん判る。やっぱ、ワールドカップってすごいね。国と国との戦いっていうのは。
克己:代表がこれだけ頑張ってくれると、何ていうか愛国精神みたいなものがね、本当に自分の国を誇りに思うって言うか。サッカーやってる、やってない関係なくね。そういう風に思えるってことは、すごい事だと思いますよ。そうさせたって事は、やっぱり日本代表の頑張りだよね。結果がなかったら、そこまではならなかったもの。
大澤:うん、負けてたら尻つぼみになってたけど、また次の18日(火)まではすごい盛り上がるものね。
克己:もうどうする?このままどんどん勝ってったら(笑い)結構、行っちゃうって感じするし。
大澤:ブラジルだったら駄目かなって思ったけど、案外いい試合になるかなって。相手強いのはわかるけど。
澤口:その次も、スウェーデンかセネガルだし。本当、組合せいいよね。
克己:セネガルもあんなにやるとは、思わなかったね。
大澤:勝てるチームが、負けてるっていうのがね。
克己:多いよね。
大澤:でもやっぱりワールドカップは、生で見た方がいいって言うか。
克己:俺もそう思って見に行ったんだけどね。14日は、エコパのベルギー対ロシア戦に行って、携帯TVで日本戦見てた。森島入れた時、エコパの試合と関係なく、会場が「ワー」って盛り上がったんだよね。ラジオとかでみんな日本戦聞いてて。
大澤:克己さん見てたんだ。俺、エコパの試合夢中で見てたけど。
克己:やっぱり会場で日本戦見たいよね。その盛り上がりがどの位か。
大澤:奮い立つ位のね。
克己:うん、俺も奮い立って(笑い)、でね、(エコパの)帰りに、携帯TV、ゆうまがずっと見てて、NHKがきて、TVで日本戦見てるから「どうなの」とか聞かれて「日本勝ったね」とか言われて「はい、2−0で勝ちました。嬉しいです。」とか言って(笑い)「どの位までいくと思う?」って聞かれて「準々決勝位」「おまえ、決勝まで行くって言えよ」って。で、俺の事判って聞いてきてるのかなと思ってたら、全然わかってないんだよね(笑い)
一同:(笑い)
克己:それで俺が通り過ぎて、何か後ろでもう一人のカメラの人とかが、「あれ、大榎さんだよ」って(笑い)
一同:(大爆笑)
克己:ただ子供が、TV持って日本戦見てるから。
大澤:そうか〜(笑い)克己さん、もう一回トルコには勝つかも知れませんね。
克己:俺、トルコ見てないし、わからないんだけど情報知らないし。でも、結構強いとか誰か言ってたけど、わかんないねやってみないと。ここからは、一発勝負だから、守備が大事になってきますね。
大澤:18日は?
克己:合宿ですね。何か早めに集合して練習終えて、TV見るみたいなこと言ってましたね。正式には、聞いてないけど。
澤口:みんなで一緒に「ニッポン」とかやるんですか?
克己:あーそういう事はない。それは全然ない。
大澤:選手のプレーとかの話しながら見るんだよね。「ここはどうとか」なんて、きっと。
克己:そうだね。
澤口:この前の市川のプレーとかは?
克己:あのクロスは良かったよね。で、戸田はミスもなくボールをよくさばいてると思いますよ。
大澤:気合が入ってるね。
克己:インタビューでも、髪の毛の事とかで目立ってるけど、プレーでも本当に目立ってると思いますよ。
澤口:解説者も、戸田が危ないところ潰してるって褒めてますよね。
克己:うん。フル出場してるし、信頼されてるんでしょうね。
大澤:そう思うね。
澤口:でも、危ないプレーもあるね。
克己:まあそれはあるね。でも、危ないプレーもいいプレーも紙一重だから、それ位体張っていってるから、あれを遠慮してやったら、良さはなくなっちゃうよね。
大澤:らしさがなくなっちゃうっていうか。
克己:うんそうだね。まあガンっていってもらうイエローはしょうがないけど、無駄なところでもらっちゃうのは。
澤口:アレックスは?
克己:うん、何で使われないのかなって。ベルギー戦も、結構流れが変わって。アレックスから結構FWにいいパスが通って。俺、あの緊迫した状況で、なかなか打開出来なかったら個人技に頼るしかないと思ったのね。前半終った時点で。サッカーにならないし、組み立てられないから、これじゃあアレックスの個人技で勝負するしか点を取る方法ないなって思ったのね。アレックス入ってきて、効果的なパスが結構あって、まあ自分で突破する場面はほとんどなかったけども、いいパスが前に入ってチャンス作ってたと思うしね。
でも、これから必要になってくるんじゃないですか?アレックスは。
大澤:これからね、そうだね。じゃあ、最後に克己さんの代表の時の話を、聞いてみようかと。
克己:俺はね、イタリアのワールドカップの予選に出たんだよね。一番最初に入った時が、ヤマハで。その時ね、クラマーさんが来て、横山さんが監督だったんですけど、クラマーさんが「俺、入れろ」って。
大澤:クラマーさんが!
克己:うん。
大澤:すごいじゃないですか!
克己:高校出てすぐ、日本代表Bってのに入ったんですよ。
大澤:B代表
克己:うん。でマレーシア行って出場して点取ったりして、そん時に。ロス五輪の予選かな。その時の代表監督が森さんで、キーパー田口さんでキューさんがいたり、岡田さんいたり、あとFW原さん、風間八宏さんとか年が下の方だったね。都並さんも。
大澤:あーすごいね。そうそうたるメンバーだね。
克己:木村和司さん、水沼さん、そのメンバーで盛岡で合宿したんだよね。それに俺、高校卒業して、大学入る前にいったんだよね。その時、水沼さんもBで一緒に行ってて、そっちの方に廻されたのね、で水沼さんとかはそのまま代表の方に入って。俺は、研修生って形でそこに。
大澤:18歳。
克己:18。まだ高校卒業する前だったから。
大澤:すごいじゃないですか。
克己:うん、だからその頃はすごかったんだよね(笑い)
一同:(笑い)
大澤:そこでJリーグがあれば、全然別だったんだろうね。
克己:だから高校出てすぐの時は、多分注目されてましたよ。で大学行って何してたんだって事になっちゃたんだよね。(笑い)
大澤:どうですか?そこ行って全然かなわないって感じ?
克己:いや、結構ノビノビやらせてもらいましたよ。キューさんが言ってましたもんね。「こいつは何者か」って、まあ遠慮がなかったっていうか(笑い)キューさんが言うのはね、ミーティングか何かの時に、森さんに「この状況でおまえならどうする?」って聞かれて「あー僕の経験からいくと」って「おい、おまえ一番経験ないだろう」って(笑い)
一同:(笑い)
克己:先輩ばっかりいる中でそんな事言って「それ言った時にはビックリした」って(笑い)
大澤:(笑い)確かに。
克己:その後、そのロス五輪の予選で負けて、石井さんが監督になって、堀池が入ってきたのかな、大学生で。それでその後、横山さんかな。その時は、俺もう大学出てヤマハに入った時ですよ。それでクラマーさんが臨時コーチみたいので来て、色々試合見て「俺を入れろ」って事を言って、それで入ったんですね。
大澤:すごいですね。クラマーさんですよ、伝説の人ですもんね。クラマーさんは、どの位いたんですか?
克己:ずっとはいなかったですね。合宿の時は来てやってましたけど。香港で試合あって、それにも来て。
大澤:やっぱ日の丸付けると違いますか?
克己:う〜ん。でも今の代表ほど自信ないっていうか、チャレンジャーのような感じで余裕がなかったっていうか。ユニフォームも赤だったんだよ、あの頃。それまでは青だったんだけど、何かわかんないけど赤になったばかりの頃で。
大澤:環境的にもね、昔は。
克己:うん、今は世界に出たりしてやってるからね、余裕があるよね。その頃、どこが来たんだっけかなイギリスから来て、神宮球場で試合して、神宮とか三ツ沢とかでやったりしてね。で負けて。その後、ブラジルのファルカン、そしてオフトになって、そのオフトの時もJリーグ出来る92年ナビスコで俺、結構点取ったりしてね、代表に決まってるよって話が来てたんだけど、前十字を切って・・・。
大澤:そこだったんだよ。
克己:でもう選ばれてるよって言われてて、そこで怪我して駄目になって。
大澤:何とも・・。
克己:それで、もう1回来たのは、あのドーハの前の合宿に選ばれて、で落ちたと(笑い)
中村俊輔とか、そういうパターンだよね。カズとか北沢とか、それでしたね。
大澤:怪我、惜しかったですよね。
克己:うん、あの頃は結構調子良かった時ですよね。
大澤:調子いい時に限って、怪我するんだよね、う〜ん。でも、それもあるから今の克己さんがあるんだよね。40歳までやるんだから。
克己:(笑い)でも、今日の練習はバテたね。今日グラウンド使えないから、砂浜走ってもうキッツイ。でもみんな死んでたね。
大澤:それ、監督も走るんですか?
克己:いや〜走んないよ。
大澤:監督一緒にやっちゃ駄目。自分が手本見せようなんて思っちゃ。口だけでいい。
克己:そうだね。だから、選手でやってて監督になると辛いのとか全部わかるから、妥協が入っちゃうんだよね。だからあんまり選手経験がない人ってのは、自分が求めるものに突き進むから、妥協がないから、無理でも結構高いところを目指したりするんだよね。
選手でやってた人は、「あっ、もうこれは出来ない」とか「これはちょっと無理だな」とかある程度線引いちゃうから、上を狙えなくなっちゃたりするみたいな要素はありますね。だから、名選手は名監督になれないとか言ったりするし、全然サッカーやってない人が監督やって良かったりするでしょ。理想を求めて高いところを狙えるってとこがあるかもしれないですね。
大澤:そうかもしれないですね。今日はどうもありがとうございました。
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